冷房と暖房のあいだ

秋、急に来ましたねぇ。
お客さんの手足も、つい最近まで熱かったのにもう冷んやりしていて、昨日初暖房をつけました。
その前の日は冷房つけていたのにねぇ。

ヒーターに背中をくっつけて私もじんわりあったまってみましたが…ほっとしますねぇ。
冷風があんなに気持ちよかったのにねぇ。

今夜はあったかい豚汁ですよ。
先週までよーく冷やした棒棒鶏とか食べてたのにねぇ。

あんまり急に季節が切り替わると、なんだか風情がないわぁ…なんて言いたくなりますが。


風情といえば。
今年の春、もしかしたら最後になるかもしれないと、母親と桜を見に行こうと思っていました。
車の中からでもいいので、一緒に見れたら、と思っていたんです。

でも、あの頃はちょうどコロナ恐怖の強風(狂風?)が吹き始めた頃で、帰省ができませんでした。
残念がる私に、母が言い放ったんです(その時はまだ喋ることができたんですよねぇ)。
「お母ちゃん、桜にそんなに興味ない!」

(お、おほー!)ですよ。
情緒、情緒どこいった。
いやいや、もしかしたら、もしかしたら母なりの気遣いかもしれぬ。
うーん、でもそういうタイプじゃないよなぁ。
どストレートな人だもんなぁ。
それか、もう桜なんてどうでもいいくらい、しんどいのかもしれないなぁ…。

でも、思い出したんです。
そういえばいつか紅葉を見に行った時、まだ十分赤いんですが、すこし茶色に移り変わる頃で、トーンダウンしたその色も、葉の感じも、ちょっと寂しくていいなぁ…なんて思いかけたところに母親が「ダメだ、もう汚い」
と、言い放つではありませんか。

(な、なにー!)ですよ。
“わびさび”知らんのか。
いや、私も知らんけど。
それにしても言い方、もうちょっとなんとかならんのか。
…ならんわなぁ。

そんな記憶がいくつかよみがえり、そういえばしみじみと桜を愛でていたのはいつも父親と私の二人だったかもしれない…と思ったりで、母は本当に、桜にそんなに興味がないのかもしれない、という結論に至ったのでした。

遺影写真は笑っているものにしたんですが、葬儀社の人が気を効かせてくれたのか、写真の枠左上に、選挙に当選した時に花をつけていくでしょう?(色はグレーですが)あれがホチキスでしっかり留められていて、母の満面の笑みと相まって「わたし、一等賞!」みたいになっています。


あれ、なんの話でしたっけ。
そうそう、暖房入れたよ、という話でした。

これから寒くなっていきますが、人の感じ方ってそれぞれですから、冷え冷えがいい方は遠慮なくおっしゃってください。
今はまだいいですが、完全に冬になると数時間前から部屋を暖めてしまうので、事前にお伝えいただけるとありがたいです。
どうぞよろしくお願いします。

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